その塔は高く高く伸びていた
白い白い壁は何者も受け付けぬかのようで
青い青い空をまっぷふたつに引き裂いている

登れ
登れ
と声が聞こえる

今にも強い強い風にさらわれそうに寂しいのに
あたたかく望むものはこの上にしかないのだと

登れ
登れ
と声が聞こえる

いつしかそれは
己が発しているのだった